2日目の土量は、約5トン。今回は、普段の道普請で入れている真砂土とは違い、熊野本宮の山土を参詣道に補充しました。
世界遺産に登録されている参詣道は、世界遺産である前に、国の文化財指定を受けています。文化財指定された時の状態を保存するために、参詣道の上に保護層として真砂土を入れています。その真砂土をもともとの参詣道の高さ近くまで入れることができ、自然転圧によってしっかりと固めることができたところから、その上に山土を入れ、修復したことが分かるようにした上で本来の参詣道の姿に戻していきます。今回は、世界遺産センターでの道普請でも初めての山土を被せる作業でした。
午前9時過ぎに世界遺産熊野本宮館を出発し、祓殿の道普請箇所まで歩いて上がりました。急な上り坂で、現場に行くだけでも体力を要しました。作業を開始し、土嚢袋への土入れ作業、作業箇所までの運搬作業を、班で交代しながら行っていただきました。昼食を挟んで午後3時まで作業を行いました。おかげで長い区間にわたって参詣道に山土を補充することができました。歩かれる人にとっても、非常に歩きやすくなりました。
参加された皆様は、翌日、語り部さんとともに発心門王子跡から熊野本宮大社まで約7kmの熊野古道ウォークをされました。初夏の熊野を満喫していただけたことと思います。また、式水・伏拝・祓殿のそれぞれ皆様に直していただいた場所を通った際には、自分たちで行った作業に対して大きな充実感を感じられたのではないでしょうか。
富士古河E&C株式会社様には、毎年、新入社員研修として道普請ウォークにご参加いただいております。世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の保全活動にお取り組みいただき、誠にありがとうございます。またのお越しを、スタッフ一同心よりお待ちしております。
posted by 和歌山県世界遺産センター at 00:00
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